2019年03月21日
エブリイに決めた理由-回転数と車重

エブリイに決めたもう一つの理由。
「 回転数の低い車だった 」
前回書いた譲れない部分とはこのことです。
エブリイは「箱バン」とか「軽1BOX」いうジャンルになります。これはユーザーが俗称として使っている表現です。
メーカーはビジネスカーとか商用車などと呼んでますね。
いわゆる貨物車。なので重い荷物を運ぶことを想定しています。
エブリイの場合、積載量は最大350kg、かなり重い荷物を運べます、一応。
おまけに1BOXなので車重も重い。車両総重量はそーとーなものになります。
まともに走らせるためには、回転を上げてパワーを稼ぐ必要があります。
回転数が上がれば燃料噴射も増えるので燃費は悪くなります。
重い荷物を積むからギア比を低く(ローギヤード)しているため、高速巡航が苦手です。
アクセルを踏んでも回転数は上がるけど速度が出にくいのです。
それでも速度を上げたければ、さらに踏み込んで回転を上げることになるから、燃費はますます悪くなるしエンジン音はやかましい。
低排気量の貨物なので仕方のないことですが。
※ めんどくさいんでボア/ストローク比の話は置いておきます。ホントは重要なんだけど。
僕が使っていた先代DA64V型(タイプ:PC)のカタログスペックは
非過給(NA) MT FR駆動
出力 49ps(36kw)/5800rpm トルク 6.3kg・m(62N・m)/4000rpm
カタログ燃費 15.8km/L
ただのマニュアル車ですわ。
燃費は高速道路を90㎞/hで走ると12㎞/Lを切るくらい悪化します。
さっきも書いたとおり、ギア比が低いので高速巡航が苦手なのです。
だから高速道路は使わなかったです。とにかくうるさく、ブン回しすぎるとエンジンの寿命縮みそうで。
高速使わなければ17か18km/Lくらい。 良いと19㎞/L越えることもありました。
カタログ値の15.8km/Lを下回ることはまずなかったです。
毎月、宮崎-福岡を久住/小国を抜けて往復していましたが18.5㎞/Lくらいでした。
だけど快適ではなかったです。特に坂。 貨物なのでまあ仕方ない感じですね。
快適な巡航速度は60km/hってところが現実でした。
これが70km/hくらいだとずっと楽になると思うんです。
燃費的にも有利になるし。
そんなわけで、次に買う車は 「可能な限りハイギヤードな車」 にするつもりでいました。
高規格のバイパスとか楽に走りたいもんね。
「軽1BOX」、各社作っています。
ですがホンダ・バモス、 ・ダイハツ・ハイゼット ともにあまりにも古い車で脱落。
三菱、スバルは生産を撤退しダイハツハイゼットのOEM。
マツダ、日産、三菱はスズキ エブリイのOEMです。
結局、エブリイしかないわけです。
新型エブリイDA17V型の回転数を比較してみましょう。 タイヤサイズとギア比で計算できます。

時速80km/hのとき最も回転数が低いのが4ATターボ。 2936回転。
次に低いのが5MTターボ。 3218回転。
非過給の5MTは 3749回転 そーとーな高回転です。 100km/hだと4687回転にもなります。
ターボと非過給(NA)ではこれだけ大きな差があるわけです。
これでNAは除外しました。
というわけでターボのATかMTのどちらかが候補になります。
低回転のATは魅力です。だけどカタログ燃費は2割も悪いです。
経験からMTのほうが燃費はよいはず。 実燃費は3割以上MTがよいと思います。
何より思い通りの操作ができるからストレスが少ない。これ僕には重要なんですよ。
それにATは10万円も高い。
総合的にみてターボMTに決めました。
前も書いたけど、操作はATでもMTでもどっちでもよいのです。ATが楽ともMTがスポーティだとも思いません。
そんなわけで回転数が低い、燃費も良い、そして価格の安いターボのMTに決めました。
ターボ車の出力は64ps、 軽自動車としては十分。 だけど普段6000回転も回さないよね。
しかしトルクがすばらしい! 最大トルクはなんと3000回転で発生します。 これは先代ターボより500回転も低い。
普段よく使う領域でトルクが太いわけだから、運転のしやすさは容易に想像できるわけです。
車重と燃費の関係
新型エブリイの車重は840~950㎏
軽自動車としては重いほうですが、他社の軽1BOXと比較するとかなり軽いです。
他社よりだいたい40~50㎏も軽い。 軽自動車でこの差はとてつもなく大きいといえます。
軽いと燃費にもよく、動力性能的にも有利なのは感覚的に分かると思います。
で、 よーくエブリイの車種構成をみているとちょっとした裏の面が見えてきます。
車重が855㎏をまたがる車種構成になっています。この付近の車重をみてピンとくる人もいるでしょう。
カタログを飾るための燃費スペシャルのカラクリ、みたいな記事を見かけたことあるんじゃないでしょうか。
車の燃費はローラーのついた試験台の上で測定します。
ローラーには車重に応じて負荷をかけます。
この抵抗値が問題。 仮に855㎏の車と856㎏の車があったとすると 1㎏違うだけなのに110㎏もの抵抗がローラーに加算され測定することになるのです。
車重に対して何%の負荷をかけるとかではなく、ランクで負荷値が決まるからです。
JC08モード測定方
車 重
~740kg 負荷800kg
741~855kg 負荷910kg
856~970kg 負荷1020kg 車重856㎏の車はなんと970㎏と同じランクとみなされる。
見てのとおり855kg以下の車は燃費測定に有利な仕組みなわけです。
エブリイにはAGSという新しい変速機が導入されました。(正確には、変速を手助けする装置)
このAGS車が20.2㎞/Lと最も燃費のよいグレードです。
このAGSは855㎏以下のモデルに載っています。
この最高燃費はAGSのおかげではなく、車重が軽いことで1ランク下の燃費計測ができたからでは?と睨んでいます。
しかし車重を落とすことも高い技術が必要なのでインチキとは思いません。立派な企業努力だと思います。
ハイゼットは900kg以下の車種は存在しないし、ホンダの最新N-VANも最も軽い車種ですら930kg、売れ筋グレードは1t近いですからね。
エブリイはターボ車ですら900kgを下回っています。
新型エブリイは
JOINターボ MT 890kg 燃費 19.6km/L
JOIN非過給MT 880kg 燃費 18.4km/L ターボより10kg軽いけどターボより燃費が悪い。
変速機AGSのグレードPAは車重840kg 燃費20.2km/L 燃費フラッグシップ
もし仮に、軽いPAにAGSではなく、MT + ターボがあったなら?
ターボ分重くしても850kgにとどまり1ランク下の燃費計測になります。
もしかしたらAGSより燃費が良くなるかもしれない。
ターボ車が新型変速機に勝る?
そんなことはスズキにとって許されないでしょう。
アテにしていたVWと喧嘩別れし自社開発したAGS。
AGSは絶対のNO.1でなくてはならないはず。
(過去にPAにターボが載った車種が存在した。先代DA64型だった。ターボ付きなのに100万を切る恐るべきモデルが。でもなぜか消えてしまった。カタログを見たことがある 特別仕様車だったかも)
それなら軽いグレードPAにAGS+ターボを付ければいいじゃん!
ということになります。もしかすると21km/Lを越えるかもしれない。
現にアルトにはAGSターボが存在します。
でもアルトは乗用車、貨物じゃありません。それに最も重い4WDでも740kg。
(恐るべき軽さ・・・でもここにも燃費計測を意識した車重が)
エブリイは軽1BOXの中では軽いとはいえ、車重約840kg~。 これに大人2名+荷物350kg。
この重量の車がストップ&ゴーを繰り返し、デコボコ道を走り、コーナーでは急減速/急加速。 登り坂はベタ踏み、下り坂ではエンブレ減速。 などなど過酷使用も想定しないといけません。
AGSはスズキにとって新しい挑戦なのでターボを付けるのは慎重にならざるを得ないでしょう。
耐久性が実証されてくれば将来AGSターボが出るかもしれないですね。
燃費もパワーもいいとこ取りのAGSターボ?
そうなるとATとMTはどうなるか・・・それはそれで悩ましいか。
MTは残して欲しいなあ。やっぱり実燃費とダイレクト感はMTでしょう。
燃費測定方は現在JC08モードという、どちらかというと業界の意向を汲んだ基準ですが、
まもなくWLTCモードに移行します。より実際の燃費に近いらしいですね。
これを機にグレード構成が変わるかもしれないなあ。
僕としては、N-VANのように6速MTを出して欲しかった。
でもMT売れないからわざわざ新開発しないワな。
N-VANにはたまたまS660の6MTがあったから。
6MTだと6段目はターボでなければ出番は少ないかもしれない。でも荷物が少ない場面だけでもいいんです。
実最、100kg以上積む人って少ないんじゃない?積んだとしても片道だけとか。
もうちょっと中高速も重視して欲しいよなあ。高速120km/h時代だもんね。実際は140km/hくらいって事でしょう?
九州自動車道だって100km/h化してるし。ということは120km/hが当たり前なんじゃないの?
次は何の話にするかな。
ハイゼット/N-VAN回転数の比較でもやるか。それとも実燃費の実証か。
エブリイの話はしばらく続く。


車メーカー間での自主規制がありエンジン出力を64馬力以上にしないことになってます
(セブン160(80馬力) が 軽自動車で唯一の規制対象外(国外からの輸入車で唯一の軽自動車w ))
現在はやみくもにパワーを追い求めるのではなく燃費性能を高めたクルマの方がユーザーから支持されます
軽自動車にパワーを求める人も現在のターボモデルで十分、と言うかコレ以上やるとリッターカーの市場が荒らされますw
(軽自動車の低燃費化はほぼ上限に達したと言われていますが・・・)
あと下手に高性能化すると、普通車扱いとなる危険性があるのでメーカーは、やらないのだと思うw まぁ 360CC時代も100馬力とかありましたしねw
280馬力オーバーのクルマを作るのは難しくないが、軽規格や優遇措置の見直しに触れてほしくないから ってことですw
よってw 各社、本気は出さない方向ってことですよw
AGS は、MT乗りは選択しないほうが吉ですw 違和感! なのでwまぁ100%クソミッションていうでしょうねw 試乗したらまず買わないかとw
AT免許しかない場合は仕方ないですが・・・ 昔聞いたことがあり、あまりAGSはススメないようですw
燃費は4AT車よりも 良いのですが・・・、1速・2速域で変速時のショックが大きいのが・・・・ まぁ まだコントロールが MT乗り並にはなってない訳で・・・
マニュアル車はギヤをニュートラルにしてクラッチペダルを放しますよね
AGSは制御上、いつ発進しても良いよう(いつでもブレーキを放してもいいように)にギヤを1速に入れてクラッチを踏みっぱなしにしているようなものなのでクラッチカバーとレリーズベアリングが、マニュアル車よりも早く消耗します
あといくつかの条件下では、危ないのでw
砂利道から出るときなど、タイヤが滑る環境だと(手動でLowに固定しないと)危ないらしい~まぁ
AGS 、26.5万台ほどリコールになってましたがねw
MT丈夫だから壊れにくい。トルクフルだから乗りやすいし、低燃費と両立できるのに。踏み間違いだって起きないし。 後発進防止装置は減税が検討されてるらしいしですね。 保険だって安い。MTは該当車にしてもらいたいもんです。
AGSは気にならないという人とも多いようですよ。リコールの台数みても結構売れてるんですね。そのリコール、クラッチが新品交換だそうでお得じゃないか、なんてとちょっとした評判のようで。だから交換を延ばす人いるようです。
64型でも耐久性に問題が出たんですが、その部分だけ保証が延長されてました。スズキは真面目にやってるなという印象です。トヨタのD4エンジンとがドえらいことになってるのに知らんぷりでしたから。

というかリコール対象部品の製造が間に合わず後回しになってましたね
AGSターボ出て欲しいですね。燃費モードが新規性に統一されればあり得るんじゃない゛しょうか。JC08だと不利そうです。出るとしたらワゴンの方かもしれないですね。燃費のよい軽1BOXとしてプレミア感を出すとか。
バンなら燃費スペシャルとしてもいけそうです。
モデルサイクルとしては折り返し地点ですね。時期的に。
そろそろ大改良/再編成に期待したいですね。
