<第6回 石油給湯器交換に戻る
丸一日かかったけど取付けは無事完了した。
慣れないせいで手際はイマイチではあったが、完成してみれば難しい工事ではなかった。
工事って程でもないか。
自分としてはまあ満足出来る出来映え。
コンパクトになった分すっきりしている点は特に気に入っている。
なによりお湯の出が非常によい。 燃費が心配になるくらいすごい湯量だ。
今まで水漏れやひどい臭いに悩まされ、時には危険なくらいの白煙をあげるボイラーは常に心配のタネだった。
それに暴れ猫に何度油送管を曲げられたたことか。
それが一気に解決。 何とも言えない解放された気分だ。
こんな晴れ晴れした気持ちになれるとは正直交換前は考えもしなかった。
おかげでその日は快適に入浴できたのだった。
翌日の昼頃。 気になる現象に気付いた。
台所リモコンの燃焼ランプが、点いたり消えたりしている。 5秒間隔くらいだろうか。
外に出てボイラーの排気口に手をかざすと、暖かい熱気が出たり止ったりしていた。
寒い日だったので、
「凍結防止で燃焼しているのかな、賢いヤツじゃな~」 などと勝手に解釈してしまった。
というのも前のが貯湯式で温度が下がる度に自動燃焼していたから。
ここで予兆に気付くべきだったのに、浮かれて見過ごしてしまったのだ。
さらに翌朝、リモコンに「 01 」と表示され点滅している。 エラーコードのようだ。
しかも外からドバドバとなにやら音がする。 すぐに悟った。 表情は真っ青だ。
飛び出してみると地面から水が噴き出しているではないか。
急いでバルブを閉めた。
説明書によると
「01」は
「 給湯を連続60分以上運転したため 」 と書いてある。
要するに、お湯の配管が地中で漏れ出し、ボイラーが知らずに60分間も燃焼したのだった。
ここが漏れた場所。
昨日の点滅で異常に気付かなければならなかった。
というのも、ここは2年前に漏れた場所だからだ。
本来継手は 「L字型だけ」 だったけど、その時に自分で修理して継手を3カ所にしたのだった。
そのときに驚いたんだけど、継手がスッポ抜けていた。
接着した形跡がなかったのだ。
普通なら残っているはずの接着剤の痕跡がなかったのだった。
そのときは常備していた
速乾ボンドでくっつけて修理したのだった。
ここで、ハンズマンの店員が口を酸っぱくして言ったことを事を思い出した。
「 接着剤は必ず専用の物を使え 」
2年前に最初に漏れたときは接着の形跡がなかった。 専門業者の仕事のはずだ。
いや接着してあったのかもしれない。 もしかしたら抜けたのは専用の接着剤でなかったことが考えられる。
自分で修理した際、
速乾ボンドを使ったのだけど、ハンズマンの店員が言うようにそれはやってはいけなかったのだ。
黄色い
速乾ボンドがフヤけていたから。
熱にやられたのかもしれない。
前のボイラーはお湯の勢いが弱かったが、今度のは
すごい圧力だ。
そのせいで抜けたのではないか?。
昨日の燃焼ランプの点滅は、この継手の部分から少しずつ水が漏れ、ボイラーが
「ご主人様がお湯を必要としている」 と勘違いしたのだった。 漏れ方が少量だったために点いたり消えたりしていたのだ。
夜中になって完全に抜け、全開で噴出したわけだ。
抜けた部分を専用の接着剤である
「 耐熱HT管用接着剤 」 で接着した。
埋め戻して修理完了。
と思いきや、次の日また大噴火!。
上の画像のように、継手は3つ使われている。 すなわち接続部分は6カ所だ。
その6カ所すべてに
速乾ボンドなんぞを使っていたわけだから、また漏れて当然だったのだ。
6回外れる計算だ。
夜中に裏庭を掘るオレを見て、ご近所さんは不気味に思ったに違いない。
穴を掘り、水をくみ出し、乾くまでじっと待つ。 このクソ寒い真夜中に。
ボイラーの真横で漏れているのに、ボイラーは気付いちゃくれない。
「ご主人様がお湯を必要としている」 と健気にも沸かし続けたのだった。
水道直圧式だから、圧力は水道そのまま。 このぶっとい20AのHT管が全開状態だ。
ボイラーもバーナー全開でお湯を沸かし続けたのだ。
60分も、二晩続けて。
60分間も46度のお湯が噴き出したら、すごい湯気だったに違いない。 地面はホカホカしていた。
温泉のように壮観だったろう。
2年前の継手はすべて取り替えるしかない。 たたききって捨てることにした。
ノコギリが使えるように大きく掘るのが大変。
パイプと継手をまた購入。
もう一度繋ぎ直した。 今度は接着しろをしっかり取り、
HT用接着剤をたっぷり塗ってグイグイ差し込んだ。
埋め戻さず、しばらく様子をみよう。 なんども掘るのはゴメンだ。
原因は接着剤だったんだろうか?。 それともお湯の圧力だったんだろうか。 たぶん両方ではないか?。
今回は掘り返せる場所だったので、まだよかった。
これが壁の中だったり、基礎の下だったらどうなるんだ?。
説明書を読んでもお湯の圧力を下げる機能はないようだ。
減圧弁というのを付ければいいのか、しかもお湯側に付けていいのだろうか?。
ボイラーの交換はうまくいったのだ。 別のところで水漏れが発生したのだからね。
ただ今回のように問題が発生した場合の対処方法が分からない。
原因の分析と、正しい対処方法。 まさに素人の限界だ。
暴れ猫の心配はしなくていい。 しかし漏水の心配がつきまとうのだろうか・・・。
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